皆様、一年間、お疲れさまでした。
皆様、一年間、お疲れさまでした。 2024:12:30:16:59:58

2024.12.30(更新日:2024.12.30)

 

皆様、今年も一年間、お疲れ様でした。

皆様は、2024年はどのような年でしたか。

僕は、全体的には、「まあまあ良い年」だったと思います。

今年最後のミーティングの時に、職員にも尋ねましたが、「大きな病気もせず、割と良い年だった。」「最後に家族中が風邪を引いたが、それ以外は良い年だった。」「家族も元気で、職場でもみんなと仲良く仕事ができて、良い年だった。」「あっという間の一年だったが、割と良い年だった。」ということでした。

「まあまあ」というのがミソですね。

今年、静岡県浜松市の伯父さんが93歳で永眠しました。

伯父さんは、長年、製造業の会社を経営していました。

障害者雇用などに尽力して厚労大臣表彰を受賞したり、母校の宝木小学校に寄付をしたりと、自分にとっては憧れの存在でした。

クリニック開業時にお祝いで油絵をもらい、今も中待合に飾っています。

毎年、富士山のカレンダーを送ってもらい、待合室の掲示板に飾っています。

10年ほど前に、浜松の伯父さんの家に行って、ゆっくり話を聞いたことがあります。

「最初は苦労した。従業員2人からスタートした。人が集まらなかった。」

「昼夜問わず設計の仕事を自宅の2階でしていた。娘さんに『お父さんの描いた絵はよく分からない』と言われた。」

「従業員に対して、言うことは言う。ひどく怒られた人もいる。その代わり、給料を多めに払う。従業員は分かる。女性の従業員が足を伸ばして休めるように、畳の休憩室を作った。」

「所得税や会社の法人税は支払うのは当然。節税はしない。寄付や福祉活動はする方が良い。会社に組織を作って福祉活動をしている。」

「整理整頓、掃除は大切。ゴミ一つ落ちていないようにしている。作業効率が上がる。」

「静岡は良いところだ。天気が良い。広い平野、遠州灘、浜名湖、富士山がある。」

そして、「自分が死ぬ時に、まあまあの人生だったと思って死ねたらそれで良い。」と言っていたのが印象的でした。

 

僕から見たら、「まあまあの人生」ではなく、「素晴らしい人生」ですが、それ以来、「まあまあ」という言葉が、自分にとってプラスな言葉となっています。

僕はどちらかというと完璧主義で、神経質な性格です。

ですから、診療でも労務でも経営でも、自分に対しても職員に対しても、完璧は求めず、ほどほどで良しとするように心がけています。

そうした方が、自分の人生も、クリニックの経営も、ストレスを軽減して長続きすると思っています。

 

患者さんもご存じだと思いますが、昨今の医薬品や検査試薬の不足は、目に余るものがあります。

呼吸器系の薬(鎮咳薬、去痰薬)、喘息の薬(モンテルカスト)、注射薬(プレドニン注)、検査試薬(マイコプラズマ抗体、コロナウイルス迅速抗原)などが、何度も何度も出荷制限がかかっています。

マスコミは、数年前から新型コロナウイルスの流行、ジェネリック医薬品メーカーの不正などを理由に挙げていますが、これらは本質的な理由ではありません。

メーカーは作りたくないから作らないわけです。

しかも最近は、外資系の製薬会社だけでなく、日本の製薬会社も作らなくなってきました。

しかし、市販の風邪薬は、沢山作って、沢山ドラッグストアに売ってあります。

自宅にはテレビがないのでCMは分からないのですが、昨日、実家でテレビを見ていたら、風邪薬のCMが3つ連続して流れていました。

風邪薬のうち、儲からない処方薬(PL、ピーエイなど)は作らず、高く売れる市販薬(エスタック、パブロンなど)を優先的に作っているだけのことです。

今年一番のストレスは、「処方したい薬が処方できない」ことでしたが、これも「まあまあ」「程ほど」「仕方ない」で済ませてよいことなのでしょうか。

 

患者さんにとって、医療機関を受診する際に大きく変わったこととして、「マイナ保険証によるオンライン資格確認」があると思います。

当院でも、マイナ保険証を利用される患者さんが増えていますが、特に高齢者は、難しいというか、慣れるのに時間がかかるようです。

顔認証端末のメーカーによって、マイナンバーカードの向き、奥まで入れるか、端末と顔の距離(近いと認識されない)、家族などが後ろに立って操作してあげると顔が映り込んでしまうなどの違いがあり、躊躇してしまうようです。

 

また、未だにシステムが不安定で、特に今年の年末、発熱外来で混雑している日に、数時間使えなかった時は、こちらも患者さんも困りました。

ポータルサイトを確認しても、不具合が生じているという案内はありませんでした。

再起動してもダメ。USB接続を確認してもダメ。目視モードもダメ。

当院の顔認証端末の故障なのか、PCの故障なのか、NTTの光回線の障害なのか、国のサーバーの障害なのか、分からない。

この原因不明なのが、一番たちが悪いです。

とりあえず保険証で確認し、復旧してから、医療事務が残業して、一人一人の患者さんをオンライン資格確認しました。

夕方、ポータルサイトを見たら、「不具合が生じていたが復旧済みです」の案内がありました。

復旧に時間がかかるのは仕方ないので、せめて障害が生じた時点で、ホームページで教えてほしいですよね。

復旧を待つのが良いのか、システム障害時モードを使うのか、目視確認モードを使うのか。

判断できませんし、患者さんへの説明にも困ります。

もう少し完成度を高めてから普及させるか、完成度が高まるまではマイナンバーカードと保険証の両方を持参しましょうというポスターを配布してほしいですね。

あと1年弱で保険証が使えなくなりますので、完成度を高めて欲しいです。

現場の意見をくみ上げるシステムを作るのも良いと思います。

医療機関側としては、現場の第一線で、患者さんに手取り足取り説明したり、一緒に操作したりしている訳ですから、国側としても、医療機関や患者さんに寄り添った、温かい対応をしてもらいたいと思います。

そうしないと、医療事務や看護師が、システムに不信感を持ってしまい、せっかくのデジタル化が思ったほどの成果を上げられないことになりかねません。

 

2024年の「今年の漢字」は「金」でした。

オリンピックでの金メダル、政治の裏金問題などで、「金」が注目されたそうです。

皆さんに直接影響ある「金」は、悪い面ではインフレ(物価上昇)、良い面では新NISAなどでの資産価値の上昇でしょうか。

 

日本では、正月の能登半島地震、8月の令和の米騒動がありました。

世界ではロシア・ウクライナ戦争や中東・イスラエルでの戦争が続いていますし、先進国・新興国を問わず、世界各地で事件・事故が多発しています。

世界的に見ると、日本はまだましな方ですが、アメリカで起こっていることが10年後くらいに日本でも起こる傾向がありますし、既に日本人も多くの不満・不信・不安を抱えているように思われます。

今年秋の兵庫県知事選挙が全国的な注目を集めたのは、オールドメディアとSNSの対立という面もあるでしょうが、投票率が単独選挙で急上昇したという事実からは、「このままではまずい」「今の政治に不満がある」「自分の意思を投票という形で表現したい」と、不満・不信・不安を抱えた有権者の多くが投票に行ったからだと思います。

SNSが一般的となり、玉石混交の情報の中から自分で取捨選択ができるようになったことが大きいと思います。

画像や動画で、発信者の顔が写るようになり、「正しい行動をしている人」「信念を持った人」「志がある人」の人相は良く写り、「よこしまな考えの人」「嘘をつく人」「集団に流される人」の人相は悪く写ってしまうことがはっきりしました。

僕は、職場では政治の話、宗教の話、ネットワークビジネスの話はしませんし、就業規則でもしてはいけませんと明記していますが、今回の兵庫県知事選挙は当院の運営にも教訓になると思い、ミーティングで以下のように話しました。

「嘘や不正はばれる時代。特に薬やワクチンの使用期限には特に注意する。全体としては、経営的なことも大切だが、個々のケースではお金のことよりも正しい医療を優先する。不満を言われても、患者さんの納得感を優先しない。後々、後悔するような医療はしない。」

「集団に流されない。自分が正しいと思うことをする。集団でよってたかって特定の人をいじめてはいけない。職員の皆さんは問題ありません。」

「何回も続けて検査を断る患者さん、ルールを説明しても薬だけ出してと言う患者さん、横柄な態度の患者さんは、当院の方針には合わないので、来られなくなっても仕方ない。その代わり、当院を気に入って来て下さる患者さんには、可能な範囲で丁寧で温かい対応をする。」

 

文章を書いているうちに、また自分の完璧主義が顔を出してきました。

それでは、皆様、よいお年をお迎えください。

 

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