風しんの流行について
風しんの流行について 2013:05:09:09:44:00

2013.05.09(更新日:2013.05.10)

風しんが流行しています。
現在は都会を中心に流行していますが、今後、地方にも広がる可能性があります。
 4月28日時点で報告数が5000人を超え、過去5年間で最多だった昨年1年間の倍以上になっています。

風しん患者の70%は男性で、そのうち20~40歳代が80%を占めています。
この年代の男性は、子どもの頃に予防接種を受けていなかったり、予防接種を受けたとしても十分な免疫を持っていなかったりします。
そして、これらの男性は、配偶者が妊婦だったり、職場の同僚に妊婦がいたりする機会が多いことが、風しん流行の問題を複雑にしています。

風しんは「三日ばしか」とも呼ばれ、症状は発熱、発疹、リンパ節腫脹などで、それ自体は、自然経過で良くなります。
問題となるのは、「先天性風しん症候群」です。
妊婦が風しんにかかると、胎児(おなかの中の赤ちゃん)にも感染し、耳が聞こえにくい、目が見えにくい、発達がゆっくりなどの生まれつきの病気にかかってしまう可能性があるのです。

風しんワクチンは生ワクチンのため、妊婦には接種できません。
妊娠後に、風しんに対する免疫がないことが判っても、ワクチンが打てませんので、不安な生活を送ることになります。
風しんに対する免疫のない女性は、妊娠前にワクチンを接種しておくことが大切です。
そして、ワクチンを接種してから2ヶ月間は避妊しましょう。

妊婦に感染させる可能性のある、風しんに免疫のない男性(特に20~40歳代)のワクチン接種が最も重要です。
私の場合、大学病院に勤務していた平成19年1月に風しんワクチンを接種しました。

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風しんワクチンについてですが、現在は、風しん単独のワクチンが不足していること、風しんの抗体価が低い人は、麻しんの抗体価も比較的低い傾向があることから、風しんの予防接種を受けられる場合は、麻しん風しん混合ワクチンをお勧めしています。
既に麻しんに対して免疫がある人に、麻しんワクチンを接種しても問題ありません。
料金は麻しん風しん混合ワクチンの方が高いですが、風しん単独のワクチンが入手できるまで待つのは得策ではありません。

ワクチンを接種する前に、風しんの免疫を持っているかを、血液検査で確認することも可能です。
あるいは、検査を省略して、ワクチンを接種してしまうのも一つの方法です。
事前に検査するメリットは、免疫を持っている場合は、ワクチン接種をしなくて良いことです。
デメリットは、免疫を持っていない場合は、検査料とワクチン接種料の両方が必要なことです。

この件は、少し複雑ですので、ご相談にも応じています。
お電話または窓口にお問い合わせください。

 

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