2020.07.26(更新日:2020.07.26)
新型コロナウイルス感染症は、感染者数、死者数、入院者数ともに増加傾向です。
軽快して退院後も、呼吸困難、倦怠感、関節痛などの後遺症が問題となっています。
これらの後遺症は、新型コロナウイルス感染症に限ったことではなく、重症肺炎や間質性肺炎でも生じる後遺症です。
今のところ、鳥取県では、新型コロナウイルス感染症は流行しておりませんが、飛行機、鉄道、バス、自家用車を利用すれば、数時間から1日以内に都会の流行地域に移動できますので、油断はできません。
引き続き、三密(密閉・密集・密接)を避け、マスク装着(状況にもよります)、手洗いを心がけてください。
新型コロナウイルス感染症の感染を防ぎ、感染したとしても、発症や重症化を防ぐためには、免疫力、体力をつけておくことが重要です。
そのためには、普段から、バランスの良い食事、適度な運動(今の時期、真夏の真っ昼間の屋外での運動は避けましょう)、十分な睡眠を心がけてください。
ワクチンも特効薬も開発されていない現在、私たちにできることは、三密、マスク、手洗い、免疫力などに限られます。
話は変わりますが、この度、院内感染対策の一環として、受付窓口にアクリル製のパーティションを設置しました。
カーテン式のビニールシートも準備していたのですが、水拭きしにくいのと、難聴の患者さんとの会話がしにくいのと、非接触型の測定器でカウンター越しに体温測定するためのすき間を確保したかったために、アクリル製のパーティションにしました。
患者さんには、受付表への記載(横幅が狭くなりました)、釣り銭の受け取り(上下の高さが低いです)などに関しまして、ご迷惑をお掛けしますが、ご理解頂けたらと思います。
当院では、院内感染対策として、定期的な換気、人の手の触れる部位(ソファー、受付カウンター、手すり、ドアノブなど)の雑巾がけ、床掃除、トイレ掃除などを、時間を決めて丁寧に行っておりますので、心配しすぎないようにしてください(適度な警戒は必要です)。
また、患者さんには、マスク持参、院内でのマスク装着、来院時の風除室でのアルコール手指消毒を、重ね重ねお願いします。
マスクをお忘れの患者さんは、申し出て頂けますと、マスクをお渡しします。
更に話は変わりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、電話やオンラインによる診療が行われ始めています。
当院としましても、遠隔医療を必要とされている患者さんが一定数おられることは認識しておりますし、時代の流れでもありますので、導入の方向で考えております(だいぶ先です)。
特に、高齢の患者さんで、今は落ち着いているものの、免疫力が低下しているため、医療機関で感染すると命に関わると心配されているケースは良い適応と考えております。
また、仕事が忙しく、移動時間や待ち時間が確保できないケースなども、対応できれば良いと考えております。
疾患別では、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、気管支喘息などの慢性疾患で、病状が落ち着いており、検査予定もなければ、良い適応です。
逆に、急性疾患(風邪、胃腸炎)、糖尿病(採血が必要)、怪我(処置が必要)などには相性が悪いです。
当院で遠隔医療を導入できていない一番の理由は、現在は予約制ではありませんので、来院順の患者さんの診察と、予約制の遠隔診療の患者さんとで、不公平が生じない運用を考える必要があることです。
予約制の遠隔医療を行う場合は、院内で待っておられる対面診療を一時中断する必要があり、そこを懸念しております。
その他、事前の予約、被保険者証の確認(FAX、電子メール、電話)、支払い方法の確認(銀行振込など)、遠隔診療から対面診療への切り替え、処方箋の薬局とのやりとり、領収書と明細書の患者さんへの交付方法、同意書の取得、通話料等の徴収などの対応も必要ですが、こられは、個々の医療機関が自分たちのシステムを提案した上で、患者さんがメリット・デメリットを考えて決めることです。
現状では、予約して、予約時間に手を空けておいて、対面ではなく通信機器で診察を受け、支払いのために銀行かATMに行き(インターネットバンキングなら楽)、さらに薬局とのやりとりなどが必要なことを考えると、なかなかの手間だと思わざるを得ません。
そうは言いましても、時代の流れですから、「定期通院中の患者さんのみ」「医師の判断で遠隔医療を打ち切った場合はすぐに来院できる」「午後の診療開始前の14:30~15:30の枠」「1日1名」などから開始してみることを考えています。
いろいろ書き連ねてきましたが、コロナ禍の時代、医療界におきましても、大きな時代の変化に巻き込まれることは必至です。
今までの常識、やり方が通用しなくなるのは、リスクではありますが、「ピンチはチャンス」という言葉もあります。
あまり派手なことをして売上の維持に努めるつもりは全くありませんし、むしろ職員には、「今はおとなしくして、我慢して、体力を温存して、困難な時期を乗り越えることが重要(要は静かな生活)」とミーティングで話しております。
その一方で、時代の変化に対応する柔軟さは維持しないといけません。
人間誰しも、新しいことに挑戦することに抵抗を感じるものです。
当院の職員も同じです。
コロナ禍の騒動の中、家族から心配されつつも、出勤してくれていることに感謝しつつ、新しい試みにも、院長と職員が協力し合いながら、取り組んでいきたいと思います。
格好良いことを言いましたが、オンライン診療の導入は、まだ先です。
電子カルテメーカーの富士通がシステムを発売してくれないかと思っている段階です。
まずは、来年3月から始まる「オンライン資格確認」を導入すべく、業者さんと相談しながら準備を進めていきたいと思っています。
デジカメ写真にありますように、奥のパーティションにもアクリル板の下にすき間を設けているのは、「顔認証付きカードリーダー」をここに置くためです。
その奥が、レセコンで、カードリーダーとつなぎ、さらにオンラインで支払基金、国保中央会などと接続するそうです。
最後になりますが、「最後は運」です。
先の読めない時代、規則正しい生活、正しい思考回路で健康を心がけ、運を強めておきましょう。
飲酒、喫煙は可能ならやめて、野菜中心・和食中心の食事を心がけましょう。
しかし、「有卦七年 無卦五年」という言葉があるように、いくら気を付けていても不運になる時期は、人生の中で必ずあります。
当院の場合、「院内感染が発生した」「院長や職員が感染した」などの理由で、2週間程度の休診が必要となることも十分にあります。
もちろんそういう状況になるのは避けたいわけですが、不運にもそうなった場合はどうするか。
職員には、ミーティングで、「自分は、2週間の休業となった場合は、読書しようと思っている。今から読みたい本を準備している。」と話しました。
「むやみに喜ばず」そして「むやみに悲観せず」
静かな生活、和やかな診療を行っていきたいと考えております。