こんなお悩みありませんか?

呼吸器内科・感染症専門医 よねだクリニック院長 米田一彦

こんにちは。鳥取市気高町のよねだクリニック院長 米田一彦です。

こんにちは。鳥取市気高町のよねだクリニック院長 米田一彦です。

よく患者さんから、「喘息(ぜんそく)は一生治りませんか?」「ずっとこの薬を飲み続けないといけませんか?」と質問されます。喘息(ぜんそく)で悩んでいる人が多い証拠でしょう。

実際、吸入ステロイドを中心とした治療で一旦良くなる人は多いですが、風邪や気候の変化をきっかけに、再発する人が多いのも事実です。でも、悩みすぎたり落ち込んだりすることはありません。最近は、よく効く薬が使えますし、患者さんに適した治療方針を選択できるようになりました。

子供も成人も高齢者も、自分に適した治療を受けられますので、昔と比べますと、患者さんのQOL(生活の質)は明らかに向上しています。実際、喘息発作で救急外来を受診される患者さんの数、喘息発作で入院される患者さんの数、喘息死などはいずれも減少しています。

そもそも、喘息(ぜんそく)はなぜ起きるのでしょうか。 そもそも、喘息(ぜんそく)はなぜ起きるのでしょうか。

喘息の方にみられる症状

喘息の方にみられる症状

喘息(ぜんそく)の人の気道は、症状がないときでも常に炎症をおこしており、健康な人に比べて気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。 炎症がおこっている気道 はとても敏感になっていて、正常な気道ならなんともないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作がおきてしまいます。

喘息(ぜんそく)患者さんの気道

喘息(ぜんそく)患者さんの気道

また、呼吸器の感染症にかかったとき、季節の変わり目や天候の変化、食べすぎ、気圧や気温の変化などが誘因となることもあります。 また、運動や特定の薬(鎮痛薬やかぜ薬、降圧薬など)の服用によって発作が起きる人もいます。

■発作はぜん息における氷山の一角

喘息(ぜんそく)の患者さんにとってもっとも辛いのは発作です。

そのため発作を抑えることが喘息(ぜんそく)の主たる治療ですが、症状を抑える発作治療薬だけでは、氷山の一角を治療しているにすぎません。喘息(ぜんそく)の原因は、気道の炎症であるため、吸入ステロイドによる炎症治療を行わなければ、発作が繰り返し起こり、さらに苦しい症状を招くことになります。

当院の治療方針

当院では、ガイドラインを基本とした上で、個々の患者さんに適した治療を行っています。成人で肺機能に問題なければ、吸入ステロイドを中心とした治療を行います。高齢者で吸入薬を肺の奥まで吸うのが難しそうなら、内服薬を中心とした治療を行います。

子供さんは年齢や発育状況に応じて、内服薬、吸入薬、貼付薬を使い分けます。吸入薬には加圧噴霧式とドライパウダー式があり、加圧噴霧式はマスク付きスペーサーを用いることで、吸入力の弱い乳幼児にも使用可能となります。また学童にはマウスピースタイプのスペーサーを用いることで、薬を肺の奥まで送り届けることが可能となります。
ドライパウダー式は携帯性に優れ、吸気との同期が不要ですので、成人では最も多く使用されています。小児では吸入手技の習得が必要ですが、小学校中学年以上で吸入力があることが確認できれば処方しています。

吸入方法に不安があれば、院長が直接指導します。また院内に、各種吸入薬の吸入方法を説明したビデオがあり、ご覧頂くことも可能です。1種類の吸入薬につき、3分間程度の短いビデオですが、時々観られることで、「薬を吸う途中で咳をして、最後まで吸えていないことに気付いた」「吸入後にすぐ咳をして、薬が気管支に吸収されていないことに気付いた」「吸入後にうがいをすることを忘れていた」など、新たな気付きを得られることも多いようです。

■治療のステップダウン

良い状態が長く続けば、「治療のステップダウン」と言いまして、徐々に喘息(ぜんそく)の薬を減らしていくことが可能です。実際、薬を減らせたり、止められたりした患者さんもおられます。ただ、治療の目的が、「喘息(ぜんそく)を上手にコントロールすること」から「薬を中止すること」になってしまっては本末転倒です。

薬を減らしていく段階で、調子が悪くなったり、風邪をきっかけに発作が起こったりする場合があり、元の薬に戻さないといけない場合もあります。そのような場合でも、焦らずに、今必要な治療を丁寧にしていくことが重要です。喘息治療薬の増やし方と減らし方、そして喘息発作を起こした時の治療は、呼吸器専門医の知識と経験が役に立つ領域ですので、今後の治療に不安な方、喘息症状が残ってつらい方は、ぜひ一度ご相談下さい。

よくある質問~患者さんから頻繁に寄せられる質問と回答をご紹介します。

よくある質問~患者さんから頻繁に寄せられる質問と回答をご紹介します。
今の薬をずっと続けないといけませんか?

喘息(ぜんそく)は慢性疾患ですし、コントロールが不十分な状態が長く続くと、難治性の喘息(ぜんそく)になってしまう可能性がありますので、基本的には、長く治療を続けることが必要です。ただ、患者さんの重症度に応じて治療していきますので、調子の良い状態が続けば、薬の種類を減らしたり、量を減らしたりすることが可能です。

ここから先は、担当医との相談になりますが、シンプルな治療を長く続けることを希望される患者さんもおられますし、早め早めに薬を減量・中止して、症状がぶり返したら、元の治療に戻すことを希望される患者さんもおられます。どちらが正解というものではありませんので、担当医と相談しながら方針を決めて下さい。
風邪薬と喘息(ぜんそく)の薬を一緒に飲んでよいですか?

喘息(ぜんそく)の患者さんが風邪を引いて風邪薬をもらった場合は、喘息(ぜんそく)の薬は今まで通り服用した上で、風邪薬も一緒に飲んで下さい。風邪薬を飲んでいる間は、喘息(ぜんそく)の薬は中止してもよいと誤解されている患者さんがおられますが、これは間違いです。風邪で気管支に炎症が起こると、喘息(ぜんそく)の調子も悪くなりがちです。風邪がこじれて長引きますと、喘息発作を起こす可能性もあります。ですから、喘息(ぜんそく)の薬はきちんと続けて、発作を起こしにくくしておくことが重要なのです。

なお、風邪をきっかけに喘息(ぜんそく)が悪化した場合は、喘息(ぜんそく)の治療を強化する必要があるかもしれません。普段は、吸入薬だけで良好なコントロールであっても、風邪を引いて気道に痰などの分泌物がたくさん出てくると、吸入薬が肺の奥まで届かなくなります。また、吸入薬の有効成分が痰にくっついてしまい、気管支の粘膜から吸収されにくくなります。そのような場合は、内服薬や注射薬を追加する必要がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。

気管支を広げる薬で手が震えますが副作用でしょうか?

気管支を広げる薬のことを気管支拡張薬と言いますが、この種類の薬で手が震える(医学的には振戦〔しんせん〕と言います)ことは時々あります。国内でよく使われる気管支拡張薬としましては、ホクナリンテープ(貼付薬)、メプチンエアー(吸入薬)、メプチン錠(内服薬)などがあります。また、シムビコートという吸入ステロイドと気管支拡張薬との配合薬がありますが、この薬でも手が震えることがあります。副作用かどうかと言われますと、添付文書の副作用に「振戦(ふるえのことです)」として載っていますので、副作用の一つではあります。ただ、副作用のない薬はありませんし、副作用の種類や程度が重要です。例えば、不整脈や血圧低下などの副作用が出た場合は、理由の如何にかかわらず、原因薬剤(ここでは気管支拡張薬)は中止すべきでしょう。

それでは、気管支拡張薬の使用に伴い生じる手の震えについてはどのように考えるべきでしょうか。喘息(ぜんそく)が安定している人で、気管支拡張薬を使用しなくてもコントロール可能であれば、無理に気管支拡張薬を使用する必要はありません。一方、今までの治療ではコントロール不十分な場合や、喘息発作を起こしている場合は、メリットとデメリットを天秤に掛けながら、あえて使用することも必要です。担当医と相談しながら治療しましょう。

病院で喘息(ぜんそく)と言われましたが、本当に喘息でしょうか?

喘息(ぜんそく)と紛らわしい病気として、肺気腫、心不全(心臓喘息とも呼ばれます)、逆流性食道炎、感染後咳嗽などがあります。確かに、1-2回の診察で区別することは難しい場合もあります。患者さんによっては、複数の病気を合併していることもあり、その場合は、診断と治療がより複雑になります。

また、これらの病気(喘息と紛らわしい病気)の検査や治療には優先順位があります。医学的な優先順位としましては、心不全(心臓喘息)や気管支喘息発作が優先され、これらを中心に検査や治療を行います。さらに、個々の患者さんの症状、経過、生活環境を基にした優先順位もあります。アレルギー体質で、風邪をきっかけに咳が続くようになったのであれば、喘息(ぜんそく)や感染後咳嗽にウエイトを置いて診療を行います。タバコを吸われる方(あるいは以前吸っていた方)なら肺気腫を疑います。高齢者で高血圧症などがあれば、心不全を疑います。胸焼け、みぞおちの不快感、ゲップを伴えば、逆流性食道炎を疑います。ですから、自己判断で病名をつけるのはやめて、医療機関で検査してもらうことをお勧めします。

追伸

当院は、鳥取市気高町浜村に立地しており、鳥取市内から、車で30分程度かかります。医療機関を受診するのに、毎回片道30分かけるのは、無駄が多いように思います。 実際、当院を受診される患者さんのほとんどが地域住民の方です。ただ少数ではありますが、当院のホームページをご覧になり、当院が呼吸器内科を専門にしていることをお知りになり、わざわざ鳥取市内から受診される方もおられます。
わたくしは、呼吸器と感染症の専門医として、両面から診療しています。感染症専門医につきましては、鳥取県内に3名しかいない(2013年5月1日)のが現状です。鳥取市内在住の方で、このホームページをご覧になり、受診を希望される方がおられましたら、来院して頂ければうれしいです。適切と思われる治療を行い、症状がある程度落ち着けば、近くの医療機関を受診するように勧めさせて頂きますので、多少の時間を掛けてでも受診して頂くことは無駄にはならないと思います。

詳細診療時間

午前8:30~12:30,午後2:30~5:30

  日祝
午 前
午 後

Tel.0857-37-6123

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