2013.04.22(更新日:2013.04.22)
東京国際フォーラムで開催された、第53回日本呼吸器学会学術講演会に参加しました。
先週の内科学会学術講演会と合わせ、2週連続の学会でした。
ランチョンセミナー25では、「咳嗽と漢方」というタイトルで、講師の先生に感染後咳嗽や慢性気管支炎に対する漢方薬の有用性を解説して頂きました。
講師の先生は、広島大学の服部登先生と、札幌せき・ぜんそく・アレルギーセンターの田中裕二先生でしたが、
偶然にも、お二人の先生とも、最近、鳥取県に来られ、講演された先生でした。
鳥取県での講演は、漢方薬の話題ではありませんでしたので、新鮮な驚きを感じつつ、拝聴しました。
大学病院も含め、普段は西洋薬中心の治療でも、漢方薬の良い適応だと判断した場合は、積極的に漢方治療を行う時代になったと思います。
当院でも、呼吸器の病気に対して、葛根湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、補中益気湯、半夏厚朴湯などを使用しています。
具体的には、風邪の初期で比較的体力のある患者さんには葛根湯を使用します。
高齢者などの虚弱な患者さんの風邪には麻黄附子細辛湯を使用します。
風邪の後に咳が続いたり(感染後咳嗽と言います)、喘息やCOPDがベースにある場合は、麦門冬湯を使用します。
風邪に対しては十分な治療を行ったにもかかわらず、「シャキッとしない、元気が出ない」患者さんには補中益気湯を使用します。
葛根湯や麻黄湯は風邪の初期に使用すると、著効することがあります。
ただ、だらだらと長期にわたって飲む薬ではありません。
当院では呼吸器疾患に対して西洋薬を中心に使用しており、漢方薬は補助的に使用しておりますが、希望される場合はご相談ください。